
一般に椎間板変性と呼ばれる変化では、次のような現象が起きます。
髄核の水分やプロテオグリカンが減少する
線維輪に亀裂や損傷が生じる
椎間板の高さが低下する
周囲の組織や終板に変化が起こる
炎症に関係する物質が増加することがある
ただし、MRIで椎間板が変性しているからといって、必ず痛みが出るわけではありません。 変性が強くても痛みのない人がいる一方、変性の程度だけでは説明しにくい痛みを持つ人もいます。
椎間板の中や周囲に炎症が起こる
椎間板の変性・損傷によって、炎症に関わる物質が増えることがあります。
組織の炎症反応や痛みを感じる神経の感受性に影響します。研究では、変性した椎間板における炎症性サイトカインやNGFの関与が示されています。
例えば、椎間板の外側の線維輪に小さな亀裂や損傷が起きたとします。
変性した椎間板に神経が入り込む
これは、今回のご質問と特に関係が深い機序です。
正常な髄核の中心部は、ほぼ神経のない領域です。しかし、椎間板が変性すると、線維輪の亀裂などを通じて神経線維が深部へ伸び込むことがあります。
なぜ神経が入り込むのか?
考えられている仕組みには、次のようなものがあります。
椎間板に亀裂や組織損傷が起こる。
組織の環境が変化し、神経成長因子(NGF)などの作用が強まる。
神経線維が通常より深い領域へ伸びる。
その神経が炎症物質や機械的刺激に反応し、痛みを伝える。
神経を圧迫しなくても「動き」や「負荷」で痛む
椎間板の変性した組織に負荷がかかる
亀裂や損傷した部分が刺激される
では、なぜ「夜に痛みが出る」のでしょうか?
ここは非常に大事です。
椎間板の変性があって夜間に痛む場合、いくつかの可能性があります。ただし、夜に痛むという症状だけから、椎間板が原因だと断定することはできません。
寝姿勢による椎間板・周囲組織への負荷
寝ているときの姿勢によって、腰椎の曲がり方や椎間板、椎間関節、筋肉などへの負荷が変化します。
炎症や神経の感作による痛み
変性した椎間板や周辺組織の炎症、痛みを感じる神経の過敏化があると、静かに横になっていても痛みを感じることがあります。